習慣や思考パターンは、一見小さな変化に思えるかもしれませんが、その影響は驚くほど大きいものです。そして、子どもは習慣や思考パターンを身近な大人から学んでいきます。
子どもが思春期に近づくにつれ、親と会話することも減り、親が習慣や思考パターンを変えようとしてもたいていうまくいきません。
本記事では、幼少期から身に着けておきたいマインドセットや、親の言葉がけなどを紹介します。
できないことや知らないことは恥ずかしくない
真面目な子ほど、お手本通りにできないと焦ったり、できない自分を恥じてしまいがちです。例えば、ひらがなや漢字などの文字をなぞる練習で、きっちりと線をなぞれないと嫌で何度も書き直したり、挙句の果て「書けない!」とかんしゃくを起こして、宿題が進まないという話をちらほら聞きます。
息子は、習い事の体操教室で準備運動が先生と同じようにできなくて泣いていました。「できなくてもいいんだよ。できるところだけやってみてもいいんじゃない?」と声掛けはしますが、本人はみんなで来ているのに自分だけできないと悔しがって私の言葉に耳を貸す様子もありません。よく見ると、できていない子もたくさんいるんでけど、本人には見えていないようです。
我が家の場合は、少し時間をおいて本人の機嫌が完全に戻ったときに「できなくても大丈夫なんだよ。できないからみんな練習しに行くんだから」と話をするようにしたら、少しずつですが「できなくてもいっっか」と少し大きく構えることができるようになりました。
学校に通いだせば、きっと初めて習うこと、初めて挑戦することだらけです。
間違えても全然大丈夫。できることが当たり前ではない、できなくて当たり前。
問題ではなく解決策に焦点を合わせる
問題に直面した際に、ただそれに囚われるのではなく、解決策を見つけることに焦点を合わせられるようにすると、問題を自分なりに解決しようとする力が育ちます。
第一子の時には、子どもが困ったことに直面した時に解決策や改善策をすぐに提案していました。子どもが困ったことに直面すると「できない!」と怒り出す性格だったので、それをなくそうと先回りをしていたことは、本人が自分で考えるチャンスを奪ってしまっていたと後悔しています。
自分で考えられないと、大きくなっても予期せぬことが起きたときに自分で対処ができず、一番困るのは本人です。子どもが泣いているときや起こっているときは、冷静に考えられないので、少し落ち着いてから「どうしたらいいかな?」と一緒に親子で考える時間を取ってあげるようにしましょう。
困ったら自分なりに考える練習をしよう
とりあえずやってみるというチャレンジ精神
最初から「できないからやらない」という子と、「できないかもしれないけどやってみようかな」という子では、本当にその後に歴然とした違いが生まれます。
「できないからやらない」タイプは、何もやらないので当然経験値はゼロのままです。
一方「できないかもしれないけどやってみよう」タイプは、たとえできなくても「思ってたよりは難しくなさそうだ」「簡単そうにやってるけど、こういうところが難しいな」と体感できます。確実に経験値が上がるのです。
できなくて当然。とりあえず一歩踏み出す勇気を持とう
自己肯定感
自己肯定感は、すべてにおいての積極性に大きく関与します。自己肯定感が低いと何をやっても本人も最初から諦めモードで、いくら周りがいいところを褒めても、自信のなさが根源にあるので次のステップに進むのをためらう傾向がとても強くなってしまいます。
自己肯定感が育つのは3歳ごろと言われていますが、一度自己肯定感が下がってしまうとそのあと上げるのにはかなりの時間がかかります。
親としては常に他者と比べず、普段のやり取りで「あなたはあなたのままでいいんだよ」というメッセージを送るようにしましょう。私は学校で作った作品などには「こういうところ頑張ったね」「細かく作ったね」など、作品に対するコメントをできるだけ伝えるようにしています。
また親自身も自己肯定感が低いと、やはり普段の口癖もネガティブなものになりがちです。それが子供の自己肯定感にも少なからず影響してしまうので、親自身も普段からできたことに目を向けるなどして、自分は自分のままで大丈夫と思えるようにトライしてみましょう。
すべての土台にもなる自己肯定感。日々の言葉がけはポジティブなものを。
スモールステップを楽しめる
友人や周りの人との交流が、人生に大きな影響を与えることが研究で示されています。例えば、友人が肥満であれば、あなたもその傾向が高まります(Christakis & Fowler, 2007)。
同様に、ポジティブな態度や成功志向の友人がいる場合、その人も成功への意欲が高まるという研究結果もあります(Centola, 2010)。
これは、人間は社会的動物であり、周囲の人々からの情報や影響を受けやすいという基本的な心理学の原則に基づいています。このような社会的影響は、個々の行動や意思決定、さらにはライフスタイルにまで及ぶ可能性があるということ。
私は習い事を利用して、なるべくポジティブな言葉で子どもを伸ばしてくれる大人たちに出会わせるようにしています。厳しく怒って指導するのは時代遅れ。できたところに目を向けて小さな進歩を楽しむというスタンスの方が絶対習い事も長続きします。
家庭以外の場所でもポジティブな言葉をかけてくれる場所を選んであげましょう
まとめ
もともと生まれ持った性格も違うし、ここで紹介したやり方がうまくいかないお子様もいると思います。我が家の場合は、子ども3人ともどちらかというと控え目ですぐ泣いてしまうタイプだったのですが、周りで積極的なお子さんの親御さんの声掛けを真似してみましたが、我が子には通用しませんでした。でも100人いれば100通りの育児があるわけで、たとえ兄弟であってもかける声掛けは違っていいと思います。我が子にぴったりの寄り添い方を見つけるのはそう簡単ではありませんが、保護者も育児は初めての体験ばかり。紆余曲折して当たり前です。
焦らずゆっくりと親子で育てていけたらいいですね。
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